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2022.01.13 ウイングの技術

新しいサングラス? いえ、スマートグラスです!!

―スマートグラスとは

「スマートグラス」って知っていますか?
現在、あまり普及していないため、ご存じない方も多くいらっしゃるのではないかと思います。

スマートグラスとはメガネ型のウェアラブルデバイス(頭や腕、手首、目、頭といった人間の体の一部に装着して利用することが想定された、新しいコンピュータデバイス)なのです。

レンズがディスプレイを兼ねているものが多く、レンズ越しで実際に見ている光景にさまざまな情報を付加することができるため、視界を確保しながらハンズフリーで作業ができるという点がスマートグラスの大きなメリットです。

スマートグラスはもともと、大学などの研究機関で基礎的な開発が進められていました。2013年にGoogleがメガネ型のARデバイス「Google Glass」を発表して話題を集めたことで、世間にも少しずつ知られるようになってきました。

スマートグラスは種類によって利用できる機能が異なります。主な機能としては、インターネットやBluetoothの通信やセンサー機能、カメラやマイク・スピーカー機能などが挙げられます。

―どんなことができるの?

一般のユーザー向けに販売されているスマートグラスは

・ディスプレイが大きくネットサーフィンや動画鑑賞の目的で利用されるもの

・運動中のデータ取得を目的として小型で様々なセンサーが搭載されているもの

・写真・動画撮影用に高精細なカメラが搭載されているもの

など様々なものがあります。

一方、産業向けの用途としては、主に現場作業者に対する作業支援の目的で導入が進んでいます。

例えば、

・現場の作業者にスマートグラスを装着してもらい、作業マニュアルをディスプレイ表示させることでスムーズに作業を進められるようにする

・現場の作業者にスマートグラスを装着しながら作業を進めてもらい、カメラで撮影されたリアルタイムの作業状況を現場から離れた本部の監督官に共有し、遠隔での作業指示を行う

・熟練の作業者の技術継承を目的として、スマートグラスを装着して記録した熟練者の作業状況を若手作業者に共有し、指導する

などですね。

―鮮魚市場の事例

ウイングでは、鮮魚市場内店舗における販売業務の効率化に向けた実証実験を行った事例があります。

売手となる仲卸業者の方にスマートグラスを装着してもらい、内蔵のカメラやマイクを利用して、買手のお客さんと対面で取引した内容をデータ化するといった内容です。

スマートグラスを活用することで、ハンズフリーでの販売業務を実現し、既存業務での伝票手書きによる入力ミス、または手作業での売上データ入力の手間を削減して仲卸の販売業務を効率化できるかどうかを検証しました。

スマートグラスを用いて取引内容をデータ化するにあたっては、

・内蔵カメラで撮影した画像にAI物体認識技術を活用して買手の識別を行う

・同じく内蔵カメラでの録画により取引中の様子を記録する

・さらにマイクに入力した会話の内容をAI音声認識技術によってテキスト化

してその内容をもとに売上伝票データの作成を行う

・スマートグラスで収集した各データは、インターネットを経由してサーバーへ送信し、売上データとしてデータベースに登録される

仕組みになっています。

今回の実証実験で得たノウハウを生かし、今後もウイングでは現場での作業支援を目的としたスマートグラスアプリケーションの開発を進めていく予定です。

<スマートグラスを装着した状態での画面イメージ> ※画面右側に操作ガイドを表示

―開発で工夫したこと

いかに実際の光景を邪魔せずに、付加情報をディスプレイに表示するかという点、操作方法をどのようにするかなど、スマートグラスのユーザーインタフェースに関する点を工夫してあります。

試作しては実際の使用感を確かめて改善するという流れを繰り返すことで、最終的にアプリケーションを完成させました。

何か現場での、お困りごとがありましたら、その課題はスマートグラスで改善できるかもしれません。

是非ウイングへご相談ください。

新しいアイデアを出して、創造的に経営課題を解決するアプリケーションを一緒に作ってみませんか。

https://www.weing.co.jp/recruit/